「嫁入りの儀」がドン引きでした

最近はじめた「会社員時代の話」シリーズですが、意外にも読んでいただけているようで、数人の方から、「面白い!」とか、「そんなドメドメな会社にいたんですねー」などのコメントをいただきました。そうなんですよ。。いろいろなドメドメな会社に勤めた経験があります。日本人として生まれ育ってきた以上しょうがないですね(笑)

しかし今となってはそんな経験を面白いネタとして語れるようになったので、それはそれでよかったかな。と思っております。

さて、今日のお題は「嫁入りの儀」です。(これは実話を元にしたフィクションです。)

この話、実はそんなに昔のことではありません。今からおよそ10年くらい前のことです。10年前なので、すでに21世紀ですね(笑)そんな時代に正確な名前は忘れましたが、私の中では「嫁入りの儀」と呼んでいる謎イベントを目撃しましたので、その話をします。

まずその前に背景説明です。私はそのころは日系の会社とはお別れしまして、外資系企業に勤めておりました。転職を何度も経験しました。カッコよく言うと外資を渡り歩いていたってやつです。実態は、リストラされて、転職し、行った先がやばそうなので、逃げ出して転職し、気が付いたら何社も変わってた。。という感じです💦

日本にある外資系企業(つまりグローバル企業の日本支社)の仕事ですので、実はいろんな形で日本の会社と関わるんです。その逆は日本の会社に勤めていた時(4Hの会社など)で、日本メーカとして海外向けの製品を作っていたので、顧客は外国人、外国企業だったんです。

さてこの時、日本のメーカと協業して製品を開発して、日本の顧客に納品するというプロジェクトが立ち上がり、私はそのプロジェクトのPM(プロジェクトマネージャ)をしておりました。つまり外資系企業側のプロジェクト責任者(私)と日本メーカ側のプロジェクト責任者が共同で開発プロジェクトを進めていたのです。固有名詞はあれですし、外資系と日本メーカと呼ぶのも面倒なので、ここでの外資系企業をA社、日本メーカをB社として話を続けます。

外資と日系が一緒に仕事する、それだけでやばそうな雰囲気しますよね(笑)わかる人にはわかると思います。 さらにはそのころ私たちA社の仕事場はB社の工場を間借りしていていました。まあ一緒に協業するんだからしょうがないんですが、この工場の環境があまりにすごいので、A社のプロジェクトメンバー(日本人と外人半々)には相当評判が悪かった。(その話はまた今度。)

そんな中、いろいろ紆余曲折はありましたが、開発、テストが無事完了し、開発した製品が顧客に納品されることになりました。そんな時のことです。「出荷式をやります、A社さんも参加ください」みたいな通知がB社から届きました。某日の月曜の朝9時から、工場内の講堂で開催するそうです。私は正直「月曜の朝9時から?そんなの誰も来ないよ」と思いましたが、案の定、外人社員は誰も来ません。そりゃあそうですよね。意味わからん儀式ですし。なので、当日A社から来ているのは立場上来るしかないPMの私と、その他Noと言えない外資系だけど日本人の社員だけ、当然ですがB社の方々は全員来ています。

会場の講堂は小学校の体育館くらいの大きさです。かなりの大きさです。そして壁にはこの日の為に紅白の横断幕がぐるっとかかっています。最近みたことない紅白の横断幕が!これは相当すごいことが起こる予感です。A社はあくまで呼ばれただけですので、進行には一切関わっていません。B社の議事進行をただただ眺めています。椅子もないので、立ちっぱなしで、ステージ上で繰り広げられる挨拶を聞いています。私は一応PMなので、最前列に立っています(笑)

ステージでは最初に偉い人の挨拶です。あれ?いきなり英語の原稿を読みだしました。この日の為に用意してきたようです。しかし、ここに外人社員はひとりも来てませんが💦そこは誰も気づかないふりをします。しかし、本人は気づいているのかいないのか?目の前には日本人しかいませんけど?(笑) 英語の原稿を一通り読んだ後は、普通に日本語での挨拶が延々続きます。校長先生な感じですね。

挨拶の後は、B社社員による寸劇がステージ上で繰り広げられます。学芸会?? よくわかりませんが、セリフはちゃんと覚えているような感じなので、それなりに準備してきたのでしょう。すごいなあ。寸劇が進むにつれて、話の内容が見えてきました。どうも納品する製品(ただの電気製品ですが、、)を「うちの娘」と見立て、明日はその娘がお客様の家に嫁入りするという話のようなのです。「xx様のところに行っても精を出して頑張って、可愛がってもらうんだぞ😢」「はい、おとっつあん!今まで育ててくれてありがとうございました😢」なんていうセリフが出てきます。「おしん」か? 製品の出荷を嫁入りに例えるっていったいどういうこと? ちなみに娘は納得しているのか?それとも借金のため無理やり?などいろんな妄想が広がります(笑)

目の前で繰り広げられる光景があまりにショッキングでその後どうなったのか?はあまり覚えていません。えらいもん見ちゃったな。というのが正直な感想です。これを外人社員が見ていたら、大変なことになっていたのでは?とも思ってみたり。

今思えば、これはジェンダーなんとか的にアウトではないのか?と思うのですが、、当時はMe too movementもまだなかったころですので、このくらいはオッケーだったのでしょうか?

男女雇用機会均等法ができたのはこの時からさらに25年前の1985年だったんですが、何も変わってなかったってことなんですかね(笑)

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