初めての通訳のお仕事は実はキンカンの売り子!

これも一応、会社員時代の話ということで、私が初めて通訳をしたときのことを書きます。ということはかなり最近の出来事です(笑)

10年くらい前、私は会社員をしながら通訳学校の夜間コースに通っておりました、定年になった時の役に立つかなあ?ってノリで通い始めたのですが、最初の学校は、雰囲気に馴染めずに1年で脱落し、別の学校に通っていました。そして通い出して確か3年くらいたったころにOJTということで初めて仕事をする機会がやってきました!まだ会社員しているころなので、有給を取ってのOJT参加となります。

皆様の中にも同じ経験をされた方もおられるのでは? 最初の通訳と言えば、OJTと言えば、そう展示会です!展示会のブースでの商談通訳ですね。

昔、会社員としてよく行っていた展示会はCEATECとかWirelessJapanとかでした。まあ電気通信業界なので、参加する人も当然メーカーの人だらけ。展示場をうろうろして、競合会社の展示をじろじろ眺めるのが常でした(笑)食べるものでもないし、もらえるものもないし(笑)地味な展示会です。

しかし、今回の展示会は違います!主催は、JICAです! そして扱うのは日本の食品の数々!海外のバイヤー向けに商談するってやつですね。こんな展示会は初めてです!ということでかなりテンション上がってます!学校で10人程度取りまとめてJICAに通訳を送り込むわけです。

当日の朝はJICAの事務所に行き、ご挨拶と名札をもらったりしたあと会場に徒歩で向かいます。会場で各自の担当ブースが割り振られて、今日から3日間の職場に配置されます。私が担当することになったのは、本業は栗の加工食品を扱う会社です。展示ブースでは栗とキンカンの甘露煮が主力商品として陳列されています。なぜ栗とキンカン?なのかはわかりません。まあどっちもジャパニーズな食材だし外人受けすると思われたのかも? ちなみに他のブースは、日本酒の酒蔵とか、お餅やさんとか。。どっちにしてもこちらは選べる立場ではありませんので、とにかく与えられた任務をするまでです!それがOJTというものでしょう(笑)

さて会場では皆さんスーツをばっちり着込んでおりますし、私も普段はまったく着ないスーツ(外資系社員はスーツを着ないのです(笑))を着ておりますぞ!で、何するのか?というと、通訳が出番となる商談などそんなに滅多にあるものではありません。ということで、まずは呼び込みと言うか、売り子ですね(笑)

一通りの商品説明を受けた後は、トレイに試食用キンカンを一粒いれたコップを並べて、それを手に持ちながら「キンカンご試食いかがですかーー??」と声を張り上げるのです。これが最初の通訳としての仕事かあ、と感慨深いものがあるようなないような(笑)しかし、なかなかに文化祭のノリで楽しいではないですか(笑)50過ぎたおっさんがご試食いかがですか?って、なんだかすみませんね。こんな経験なかなかできないですよ(笑)皆さん気軽に受け取って食べてくれます。「ふむふむ、甘いねえ」とか言いながら、そのまま去っていきます(笑)結構な勢いでキンカンがさばけていきます。補充するのも仕事のうちです。バックヤードの小さい部屋で、缶詰の缶を開けて、1つ1つをプラスチックのカップに装っていきます。大昔にやった居酒屋のバイトを思い出すなあ(笑)

結局初日は商談は1つもなく、私は売り子として立派に業務を完了したのでした(笑) しかし、これが私の通訳デビューです(笑) その後の2日目には商談が2つくらいありまして、一応お仕事致しました。時間にして30分程度でしょうか(笑) 3日目も同じように2つの商談をして、なんだかんだで展示会終了です。会社の社長さん(2代目の若旦那でまだ30代の若者)にはお土産に栗のお菓子セットをいただきました! でもキンカンはなし。多分この3日間で試食の傍らつまみ食いしまくっていたのでもう要らないだろうと思われたのでしょう(笑)はい、3日で一生分食べた気がします(笑)

以上私の通訳デビューのお話でした。

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