特許の思い出(笑)

前回、ラジオ体操と特許公報がエンジニアの朝の日課だ、という話をしましたので、ちょっと続きの話を、、ラジオ体操の続きではなく、特許の続きです(笑)

特許というと皆さんどんなことを思い浮かべますかね? 昔なら発明王エジソンとか?(笑)ちょっと古すぎですかね。最近だと世紀の大発明、青色ダイオードを発明して、そして会社を訴えて有名になった中村さんとか? しかし、青色ダイオードはねえ、すごいですよ。エジソンの電球以来の大発明ですよ。いまや青色ダイオードなしには世の中が回らないと言っても過言ではありません。

私の特許の思い出はもっと小さい話です(笑) 前回書いたように、電気メーカに勤めてた頃は特許を書くのはノルマでして、つまんない特許ばかり書いてました、書いたものの中で出願までしたものはわずか、さらには審査請求して正式に特許になったのは1件だけ、です。今でもエゴサーチするとたまに特許データベースに残っている40年前に書いた特許が出て来たりして、懐かしー!みたいな(笑)今や内容読んでも何がしたいのかよくわからない発明なんですけどね💦

さて、特許は誰でも出願できます。お金さえ出せば。出願はできます。しかし出願しただけでは特許にはなりません。審査請求をして審査を受けて、認められて初めて特許になります。審査請求にもお金がかかります。また特許として認められるかどうかは、当然内容次第です。ということで特許取得までの道のりはなかなかに大変です。会社の社員として特許書いてる時は、出願から先は別の部署の人がやってくれてたので、気にしなくてよかったんですけどね。でも世の中には頑張る人も多く個人で特許を取得している人も多くいます。しかし内容は、正直、うーん、それってアイデアは悪くないけどどうやって実現するの?みたいなのが多い印象です。なので、特許はもっているけどそれを使って何か作ってるか?というとそういう例はレアと言えます。

私が外資系メーカーに勤めていたころの話ですが、そのときなぜか私は技術全般の窓口っぽい担当になってまして(他にも技術の人いるんですけど、皆さんは専門があって私は何でも屋みたいな感じだったからか)社外から来る問い合わせやなどで技術関係のものが回ってくるようになってました。社外からの問い合わせで技術関係って何かというと、「私はxxの特許を持っています。貴社とぜひ協業して特許を使った製品開発をしたいので、よろしく」みたいなやつです。 こんなお手紙(実際立派な封筒に入ってて、宛名は毛筆で書かれてたり、気合が入っていることだけはわかりますが💦 そして、差出人はかなりのご年配と推察されます)が、会社の社長宛に来るんです。当然社長は日本語読めないし、そんなヒマもないので、社長秘書がつかつかとやってきて「これってどうなのよ?」と私に聞くわけです。私がふむふむ、とお手紙を拝読しましてですね、「これはボツですね(笑)」と返事するわけです。偉そうにすみませんが、あまりに実現性のないアイデアで無理やりとった特許とか(特許にならないレベルのものは実用新案とかいうのもあり)なので、どうにもならないわけですね。

私が勝手に想像してみると、こんな感じでしょうか。会社を定年になり、暇なので、アイデアをいろいろ考えて特許を取ってみた(大変ではありますが、お金があればなんとかなります)でも自分で製品開発できるわけでも事業を起こせるわけでもなく。「だったらこの特許をxx社(一応グローバル企業)に売れれば一攫千金だ!よし!まずは社長宛に手紙を出そう!」となったのではないかと。。

さらに時は流れて、今度は私自身が会社を定年になり。テックよしきサイトを立上げて、同時通訳交代支援アプリなぞを作ってみたりしまして、「同時通訳交代支援アプリは特許取れるんじゃね?」と公知情報を調べてみて、「先願された特許はなさそうだぞ。特許出願しようかな!」と考えるに至り、手続きとかかるお金を真面目に調べてみたら、かなりの時間とお金がかかることがわかり。「審査請求まで持っていくのは大変だなあ」となり。現在諦め中なのです(笑)なかなか特許取得するまでの道のりは大変です💦

ここまで来てやっと、あの時、手紙をくれた人はすごいなあと思ったのでした。あの時、ボツにしてすみませんでした(笑)

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